So's blog

時間の無駄です

#22(2020/05/22)

昨日の続き。ゲームの良さには様々な出し方があるが、その中でも私が好きなタイプを紹介しよう。端的に言うと「ゲーム内で完結する」ということである。

 

「ゲーム内で完結する」とは、例えば攻略のヒントがゲーム内で与えられている事などを指す。この扉はこういった手順を辿れば開くとか、この攻撃はこう対処すれば良いとか、そういった事が外部の攻略コンテンツを見なくとも理解できること。ゲーム内で明確なテキストとして記されているのではなく、ステージの背景にヒントが隠されていたり、仕組みの裏を掻くよう無意識に誘導する構成が出来てたりするような、プレイヤーに能動的に攻略のヒントを探らせるシステムだと尚良い。

 

ちなみに昨日やったアイワナはヒントの与え方が独特だ。このゲーム、実はノーヒント上等の初見殺しが溢れかえっていて、主にこの初見殺しで難しさを構成するというスタイルを取っている。そしてその分リトライはRキーひとつで一瞬でできてしまう。

その結果どうなるか。超軽量化された死そのものが主なヒント源となる。新しい初見殺しで死ぬ度、そこに罠があるという情報がプレイヤーに刷り込まれる。つまり死ねば死ぬほど強くなるというのがこのゲームのミソだ。

よって、このゲームにおける強さとは全てプレイヤー自身に還元される。勿論攻略動画を視聴することで罠の配置やボスの行動パターンを把握することはできるが、このゲームにおける覚え要素とはほぼ肉体に刷り込まれるものである。そうすると罠の回避方法や攻撃の回避方法が直感で分かるようになり、さらに回避をするために必要な具体的動作が自然とより最適に研ぎ澄まされ、やがてほぼ定型的になってくる。そこまでに必要な死屍累々がアイワナの作品一つ一つにおける強さだと私は思う。というか初見殺しを抜きにしてもプレイヤースキルを要求される場面が多いので、やはり攻略の通りにすれば勝ち!とは行かない。

そしてアイワナを作るクリエイター達は手を変え品を変えプレイヤーを騙す。このプレイヤーを騙すために絞られた知恵を体感するように眺めていくのもアイワナの楽しみだと考える。そしてそういった色濃い作者の個性を見回っていくのが、アイワナにおける醍醐味の一つと言えるのではなかろうか。そういった点でもやはり動画だけを眺めて罠を総舐めにするのは少なくとも私からは推奨できない。トラップを睨み、結局直撃し、それらを刷り込み、他ならぬ自らの腕で乗り越えていく快感、そのプロセスこそがこのゲーム群の良さだろう。

 

昨今のオンラインゲームやソーシャルゲーム攻略サイトや指南動画ありきで、それらを指で辿る作業をするだけのゲームに感じる。私はやはりそういったゲームではなく、プレイヤーのその目その手でゲームを展開し冒険していくゲームこそが尊いものであると考えていきたい。画面の前の貴方も、この記事を見て思う所があるなら是非とも君の手繰り広げられるゲームを見つけて君の手で楽しんでほしいと思う。